高専中退系エンジニアの意識高めな奴

高専をやめてwebエンジニアになったそーとくが、日々思ったことや意識の高そうなことを徒然なるままに書く意識の低いブログです。当面の目標は続けることです。

仮面ライダー555について語るだけ

みなさん、お久しぶりですそーとくです。
テスト期間なのでサボってました。

さて、皆さん突然ですが、「仮面ライダー」と聞くとどのようなイメージを持つでしょうか?
多くの人が「子ども向け」というイメージを持っていると思います。

実際のところ、仮面ライダーシリーズが子供を対象として作られているのは事実です。しかし、では大人は楽しめないのかと言うとそうではない。

特に平成1期と呼ばれる代(仮面ライダークウガ仮面ライダーディケイド)のライダーはストーリーに関してはむしろ子供向けとは思えないダークでシリアスな面が目立ったりします。(クウガとか殺し方が怖すぎてPTAから苦情がきたり。)

今回は、仮面ライダーを見ない大人の皆さんに、大人でも楽しめる重厚なドラマ「仮面ライダー555」の話をしたいと思います。(本当は平成ジェネレーションズforeverが近くなって推しライダーのことを語りたくなっただけ。)

仮面ライダー555(ファイズ)とは?

仮面ライダー555とは、2004~2005にかけて放送された平成仮面ライダーシリーズ4作目のタイトルであり、主人公が変身するライダーの呼び名でもあります。

特徴的なのはその変身シーケンス。
携帯型のデバイスファイズフォンに変身コード「5・5・5」を入力し「standing by」の音声がなったら、ベルトに差し込むと「complete」の音声とともに変身がなされます。
このシンプルなシステム音声がめちゃくちゃ良いんです(良いんです)。

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目次

あらすじ

西暦2003年。九州で一人旅をしていた青年乾巧は、そこに居合わせた少女園田真理とともに、謎の怪人オルフェノクに襲われる。真理は持っていたベルトを装着して超戦士ファイズに変身しようとするが失敗し、無理やり巧にベルトを着け、彼をファイズに変身させることで窮地を脱した。どうやらオルフェノクたちは、そのベルトを狙って真理を襲ったらしい。その後二人はクリーニング屋の菊池啓太郎と出逢い、事情を知った彼の勧めで東京にある彼の家で3人の共同生活を始めることになる。

一方、東京で暮らしていた青年木場勇治は、2年前の居眠り運転トラックによる交通事故によって両親を失い、自らも2年間の昏睡状態を経て死亡したかに見えた。しかし、勇治は病院で謎の蘇生を遂げ、周囲を混乱させる。自らも混乱したまま帰宅する勇治だったが、自宅は既に他人のものとなっていた。叔父一家が自分が眠っている間に財産を根こそぎ利用していた事実を知り、恋人が自分を裏切り従兄弟と交際していることを知った勇治は、異形の怪物に変身し、従兄弟と恋人を手にかけてしまう。

醜悪な肉体変貌と犯した罪に絶望する彼の前にスマートレディという女性が現れ、事の真相を告げる。勇治は一度の死亡により、オルフェノクとして覚醒したのだった。スマートレディが属するオルフェノクの組織スマートブレイン社に囲い込まれた勇治は、同じようにオルフェノクとして覚醒した長田結花と海堂直也の二人と行動を共にするうちに、人類を敵視するスマートブレインの姿勢に反発し、人類とオルフェノクの融和を考えるようになる。

巧と勇治。2人の男の物語を中心に、ベルトを、ひいては人類の未来を巡って、オルフェノクと人類の戦いが幕を開けた。

Wikipediaより

こんな感じです。
注目して欲しいのは、木場勇治と言うキャラクターの方。

一方、東京で暮らしていた青年木場勇治は、2年前の居眠り運転トラックによる交通事故によって両親を失い、自らも2年間の昏睡状態を経て死亡したかに見えた。

恋人が自分を裏切り従兄弟と交際していることを知った勇治は、異形の怪物に変身し、従兄弟と恋人を手にかけてしまう。

(注:ニチアサです)

と言ったように冒頭からめちゃくちゃ重いです、この話。

恋人殺しのくだりまで1話からやりますからね、リアタイで見てた小さいお子様はあたまに?が大量に浮かんでいたことでしょう。

555の特徴(他の仮面ライダーと比較して)

外見的な特徴や変身の話はひとまず置いておいて、ストーリーの特徴としてはまず代表的なのは色んな人が変身するという所でしょう。

この作品の基本構造は、スマートブレイン社(オルフェノク側)と主人公側ベルトの奪い合いです。
途中で何度もベルトを奪われ、時には敵がファイズに変身して攻撃してきます。

これ、どういう事かと言うと仮面ライダー=正義の味方の構図を壊してるんですよね。
仮面ライダーであるからと言ってその行動は必ずしも正義ではない、変身者によって正義を為したり悪を為したりする。
そういった既存のライダーに対するイメージを壊しに来ているような気がします。

もう1つ、ストーリーとして特徴的なのが怪人側(オルフェノク側)に人の心がある、これですね。

皆さんの仮面ライダーに対するイメージって何となく、変身して悪い怪人をやっつける~みたいな、勧善懲悪的なイメージがあると思いますが、555は違います。

オルフェノクは元は人間だということが肝です。
1度死んで蘇って圧倒的な力を手に入れた"だけ"で、その力に溺れて人を襲うものもいれば、人間との共存を目指す者もいます。
そのため、主人公の乾巧はファイズとしてオルフェノクを倒すことに疑問を感じていくわけです。

ここにも555特有の「正義」とはなにか?という問いかけが現れていますが、それは後で深く話します。

草加雅人という男

555を語る上で欠かせないのがこの、草加雅人という男。
彼は中盤から登場し、仮面ライダーカイザに変身します。
所謂2号ライダーとしての役回りなのですが、一言で言ってこいつはヤベー奴です。

嘘をついてたっくんを仲間から孤立させようとしたり、木場さんとたっくんの仲を引き裂こうとしたり。
そのくせ利用できると見れば躊躇なく共闘。
オルフェノクに人の心があることがわかっても躊躇なく殺す。

二号ライダーって基本的にはデレるものなんですが、草加に関しては最後までこの姿勢が崩れることはありません。

もちろん、彼には彼なりの理由なり背景なりがあるのですが、彼の行動は子供向け番組の所謂ヒーローとはかけ離れています。

しかし、オルフェノクであればどんな事情であれブレずに、絶対に殺す。
このスタンスに関して言えば彼は強くてかっこいい勧善懲悪のヒーローそのものであり、所謂正義の味方と取れてしまうはずです。
しかしその性格は限りなく正義からかけ離れている。

勧善懲悪である事が正義であることなら、こんな人間でも正義たりえる。
この辺りにも555の正義に関するメッセージを感じます。

主人公との関係性は一言で言ってしまえば最悪、でも戦闘時には息ぴったり。悪いオルフェノクを前にすれば躊躇なく協力をする。
そんな彼らの関係は「友達ではないしむしろ嫌い、でも仲間」という表現が適切であるように思えます。

555のヒーロー像

ここまで見てきて、本作品の正義とかヒーローというものに関するメッセージは、所謂勧善懲悪の子供向けヒーロー番組とは異質である事が見えてきました。

敵であるオルフェノクも人間と同じ心を持っていて、逆に味方のはずの人間に救いようのない者がいる。
オルフェノクを倒す度に悲しみを積み重ねていく。
そんな状況の中で主人公の乾巧は何度も葛藤を繰り返します。

しかし、彼は終盤このような台詞を言うのです。

「戦うことが罪なら、俺が背負ってやる」

これが乾巧という男、ひいては仮面ライダー555という作品全体を表していると思います。

乾巧というキャラクターは、一見ヤンキーの様な言動をしていて、ヒーローらしからぬ男に見えますが、その実彼は周りのためなら全てを背負い、一人で抱え込むという、言ってしまえば損な性格をしていて、その証拠に草加に嘘をつかれて仲間から孤立しそうになっても一切の言い訳をしません。
「俺が背負えば丸く収まるんだろ」
的な現実にいたら絶対損しまくる性格です。

その性格をつきつめて行った先が先程の名言なわけです。
守るべきものを守るため、戦うという罪や悲しみを全て一心に背負う覚悟。
草加とは全く別のその強さこそが、仮面ライダー555における「正義の味方」であり、ヒーロー像なのだと思います。

まとめ

仮面ライダー555は、単純な勧善懲悪
他にも、圭太郎や真理ちゃんなど個性的なキャラクター達が複雑な物語を織り成す、非常に重厚なドラマになっているので、時間のある人はどうせ子供向けと敬遠せずに、ぜひ見て見てください。
既に見た人は僕と語りましょう。